作品紹介文のご紹介。

このアルバムがリリースされる2023年現在も世界情勢は異様なまでに不安定であり、そのおかげで地球上の殆ど全ての人間がそれぞれに何らかのシリアスな問題を背負わされ、しかもそれが常態化してしまっている事などはもはや言うまでもない。そしてこのアルバムもそんな世相を敏感に反映してか、全曲一貫してこの世界を、この国を、この命を憂うテーマで溢れ返っている。どの曲も一聴して死を連想させるようなニュアンスが漂っている点からしても、この世界はいかに不穏なままであり続けたのかという事と、ワタナベ氏が少年時代から現在に至るまでいかに繊細にこの世界と向き合って来たのか、という事を如実に証明しているとも言える。ところがどっこい、ワタナベ氏はそんな憂い専門で終わるただの細っそい繊細さんではない。シューゲイザー的絶望をひと通りかき鳴らしたかと思った次の瞬間、その状況に痺れを切らしたかの如く「それがどうかしたのか」「だから何だと言うのか」と言わんばかりに、現実世界とはまるでねじれの位置から「希望のようなもの」を飄々と鳴らして見せたりする。それもあくまで低温を保ちつつ、清々しいシニカルな態度も漂わせつつ・・・。

2Danbelt Experience

2025年3月15日土曜日、ニュー・アルバム『想追録』配信開始。 2Danbelt Experience's new album, Reminiscences, will be released digitally on March 15th, 2025.

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